「普及にはシェフ対策」–ジェトロミラノ事務所で情報交換–

2017年10月23日 活動・お知らせ

12日からイタリア・ミラノへ移動しました。13日の試食・商品説明・意見交換会の会場となる同市内の調理専門学校「Conguste Goumet Institute」を下見した後、市内中心街近くにあるジェトロミラノ事務所を訪れました。

面会した小林浩人所長と情報交換をしました。小林所長は、ミラノ万博以降、ミラノを中心に日本食が大ブームになっている、と紹介し「15年ほど前には市内で7,8店ぐらいだった日本食店が、現在、300店ほど。ただ、オーナーは、ブームに目を付けたイタリア人や中国人が多い」と話しました。

小林所長は続けて「リゾットには米が欠かせず、イタリアは欧州唯一の米の輸出国になっている。米粉はそれほど馴染みはないが、使っている場合は、イタリア米が多い。ただ、国勢調査では、セリアック病の罹患やグルテンフリー食品を使っているかなどの記載欄があり関心は高い」と言っていました

今後の米粉輸出のポイントは「料理にこだわるイタリア人に対しては、シェフ対策は重要だ。米粉を健康食も含めた新しいものとして、シェフを通じて現地の料理に使ってもらう。1,2回のプロモーションで結果を求めるのではなく、シェフ対策やPR宣伝を繰り返すことで浸透、何かをきっかけにブームになる。その要素は日本産米粉にあると思う」と、アドバイスをしていました。

料理レシピに強い関心、参加者3分の2がイタリア人

――ミラノ市でも試食・商品説明・意見交換会――

イタリア・ミラノでの試食会・商品説明・意見交換会は13日、市内の調理専門学校「Conguste Goumet Institute」開かれました。北イタリア日本人会が声かけをしたグルテンフリー食品に関心のある人、市内ホテルの総料理長や調理専門学校生、日系企業の現地駐在員ら30人余りが参加しました。3分の2がイタリア人という食にこだわる国ならではの顔ぶれでした。

開会でCAP.Nの島田圭一郎理事長は「イタリアらしい意見交換にしたい」と呼びかけました。続いて、米粉料理インストラクターである萩田敏副理事長がプレゼンテーションをし、続いて同氏が、試食会用の料理を参加者の前で、調理しました。参加者は調理台の周りを取り囲み、萩田氏の調理する動きの一つひとつにあちらこちらから質問をしていました。

調理デモに真剣な表情

調理品を試食した後は、会場に陳列した日本から運んだグルテンフリー商品、6社、20商品を紹介しました。「これらはイタリアでも手に入るのか。どのようにすれば、買うことができるのか」などの発言が出ていました。

調理したばかりの料理を試食

意見交換会では、イタリア人らしく次から次へと率直な意見が相次ぎました。「ピザを作るとき、並べられているどの米粉でどうすればよいのか」「ベシャメルソースが大変滑らかだった。イタリア産米粉では同じように作れない。コツを教えてほしい」などが出され、お国柄、ピザづくりに関する質問が続きました。

市内の五つ星ホテル「MELIA MILANO」の総料理長、ニコラス・ディレオさんは「大変興味深い集まりだった。知らない食材を使いこなすには、レシピのきちんとしたベースがないと難しい。その意味で、イタリアの食生活・文化に根付いたパスタやピザは、米粉で作るといってもなかなか厳しい。デザートやパン類は、いけるのではないか」とした上で、「まずは、日本の中で米粉製品・料理のレシピを含めた認知度を作り上げる。次のプロセスで、市場調査をしつつセリアック病だけを対象にするのではなく、健康食としての食材をイタリア人に好まれるように私たちシェフとコラボして広げていく。そのような姿勢が必要で、要望が来たら協力します」と、前向きに語っていました。

用意された陳列商品は、参加者に持ち帰ってもらいましたが、瞬く間に全商品がなくなるほどの「盛況」ぶりでした。

街頭PRで「日本産」に初めての出会い

ミラノでの店頭PRイベントは、市内の日本食料理・食材店「POPOROYA」(ポポロ屋)の協力を得て14日、同店前の街路テラスの一角で行いました。お昼時、「ポポロ屋」への客も含めて2時間半で30人ほどが立ち寄りました。前日の試食会で調理したシフォンケーキや日本から持ち寄ったクッキー、バームクーヘンを口に運び、アンケートに答えていました。

「ポポロ屋」は、最近急激に増えた日本料理屋でも本格的なメニューを出すことで評判の店です。事前に店頭PRをする健康食品店や日本食店を探していた際に、オーナーが新しい食材に興味を持ち、快諾してくれました。

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