米粉(こめこ)とは、お米を細かく砕いて粉状にしたものです。お米はこれまではごはんとしての食べ方(粒食)が主流でしたが、最近はパンやケーキ、麺などに加工した新しい食べ方が注目されています。米粉の消費が増えることは、日本の水田を守ることにつながります。米粉のことをもっと知りましょう。
米粉は実は奈良時代からありました。もち米から作った白玉粉、うるち米から作った上新粉などがあり、だんごやもち、羊羹など和菓子やおかき、おせんべいなどに使われてきました。
日本米粉協会では、これらに加えて、最新の技術を使って微細な粉にしてパンやクッキー、ケーキ、パスタ、てんぷら粉など幅広く米粉を使うことをめざしています。
パンやクッキー、ケーキなどは小麦粉で作られていますが、この小麦粉はほとんど輸入に頼っています。これを米粉に代替することは、日本の農業を守ることにもつながります。
米粉には様々な特徴があります。まず、もちもちした食感があります。また、油の吸収率が低くさっぱりとしたヘルシーな食品です。小麦粉に比べると油の吸収率が低く、例えば、てんぷらを米粉で揚げるとサクサク感が長く続きます。
(油の吸収率=米粉21%、小麦粉38% ※鶏もも肉を揚げた時の衣の吸収率)
もう一つの大きな特徴はアレルギーの人も安心して食べられることです。小麦にはグルテンが多く含まれています。グルテンはアレルギー症状を起こしたり、欧米では自己免疫疾患のセリアック病の原因とされています。日本ではセリアック病は少ないのですが、小麦アレルギーの人は増えています。米粉にはグルテンが含まれていません。
ごはんとして食べるお米の消費量は年々減少していて、使われない水田が増えています。水田は“自然のダム”と言われ、稲を育てるだけではなく、大雨の時など水を蓄えて洪水を防ぐとともに、多様な生物のすみかになっています。水田を守ることは水害など自然災害を防ぐとともに生物や文化、景観を守ることになります。
米粉を使ったパンや麺を食べることは食料自給率アップに貢献します。日本の食料自給率(カロリーベース)は38%で先進国の中では最低になっています。一方で小麦は輸入に頼っています。米粉を小麦粉の代わりに使うようになれば、食料自給率の向上に貢献することになります。
国産米粉パンを1人が1か月3個食べると、自給率が1%アップするとされています。(パンの原料である小麦粉(輸入)を国産の米粉で代替するとし、パン1個に使用する米粉量を80gとして試算)